この一年へ。

2002年10月17日
 今日は僕の誕生日。

また年老いたとか、オジサンに近付いたとか、そういう卑屈な感覚は、正直なところまったくない。
 むしろ、これまでの歳月を、様々な紆余曲折や挫折があったにも関わらず、今こうして自分自身を見放さずにいることに驚嘆している。と同時に、それを誇りに思ってもいる。
 思春期の頃は、発展途上の自分にいつもイラついていた。ハタチを過ぎればきっと大人になれるだろうと信じていた。25を過ぎれば力が伴ってくると信じていた。しかし、どちらも通過してしまった今。己の無力さに、未だに歯痒い思いをしている僕が、ここにいる。
 と同時に、物事について以前よりは考えられるようなったと言う実感もある。
 
 ある意味においては、かつてないほどの混迷の時代を迎えた現代社会において、僕がいわゆる壮年期にあることを嬉しく思う。
  真贋を見抜く洞察力を。
  欺瞞を見破る思考力を。
どこまでも追い求めて生きていきたい。
 愛とか、恋とか・・。
そういう言葉には、もはや10円玉ひとつ分の価値もなくなってしまった。寂しさを埋めたくて、刹那的な安息を求める者たちの免罪符であるかのように、世の中に蔓延し、デフレの波に例外なく呑まれてしまったかのように、二束三文でやりとりされている。僕もその一人かもしれない。
 
 過ちを認め、向上を目指す精神が滅び去り、個人の権利を各々が一方的に喚き散らす声ばかりが虚しく木霊している。誰もが言い訳の材料を求め、スケープゴート探しや責任転嫁に追い立てられている。
 自分の裏づけのなさ、自信のなさを補う為に、他人の粗探しをし、虎の毛皮を必死で追い求める。
本物の虎などそうそう居やしないのに。借りてきたもので虚飾したって、ハリボテにしか成り得ない。
 
 TVでは、他人の不幸自慢が大ブームとなり、その光景に同情なのか、感動なのか、とにかく涙する人たちがいる。
 ライバル探しをせず、自分の足元ばかりみて、
「良かった、まだ下がいる」と安堵する。
 ・・嫌な世の中。
 でも、面白いかもしれない。
こんな時代だから、本物が光るはず。
こんな風潮だから、真実が輝くはず。
 そう信じて、僕なりに戦い抜いてゆこう。


  
  誕生日おめでとう。
チャンスの多い世の中に乾杯。(笑)
 
  

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